足の痛み・しびれ
足の痛み・しびれ
安静にしているときには強い症状は認めず、短距離を歩くことにより足のしびれや痛みが出現してしまい、歩行困難となり、休むと痛みがおさまる、改善するという症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言います。ふくらはぎの痛み、けいれん、こわばり、つるような痛みを訴えることもあり、左右差があることが多いです。
血管の問題によるものと神経の問題によるものがあります。
足の動脈が狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)して血液の流れが悪くなることにより足に様々な症状を引き起こす病気です。閉塞性動脈硬化症と言われていたもので最近は下肢末梢動脈疾患(lower extremity artery disease:LEAD)と総称されます。その成因としては動脈硬化性のものと血管炎や発生異常を含む非動脈硬化性があります。
加齢などにより背骨が変形し背骨の中にある神経が圧迫され痛みが生じる腰部脊柱管狭窄症です。腰を伸ばした状態で症状が悪化し、腰を前屈みに曲げる(前屈)ことにより症状が軽減することが特徴です。
まずは問診が大切です。血管性の間欠性跛行は姿勢とあまり関係なく、立ち止まって安静にすると症状が改善することが特徴です。神経性の間欠性跛行は腰を伸ばした状態で症状が悪化し、腰を前屈みに曲げる(前屈)ことにより症状が軽減することが特徴です。
血管性の場合は足の動脈の拍動を実際に触知して拍動が弱い部分があれば動脈の狭窄が疑われます。また足の傷の治りが悪い場合には、傷の問題だけでなく、足の血管が動脈硬化で細くなってしまい、傷への血液の流れが不足することにより治りが悪くなった可能性も考えます。
問診・診察から血管性が疑われる場合は血圧脈波検査(ABI検査)を行います。これは血管年齢を調べる検査とも言われます。手と足の血圧を比較する検査や脈波の伝わり方を調べることで動脈硬化の程度、血管年齢を数値として表します。この検査で足の血管の動脈硬化が疑われる場合はさらにCT検査が必要となります。
神経性が疑われる場合はレントゲン検査やMRI検査が必要になります。病状によっては専門の整形外科病院へご紹介させていただきます。
動脈硬化によるものの場合は動脈硬化のリスクとなる生活習慣の改善を行います。高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症)、糖尿病、喫煙が動脈硬化のリスクと言われておりこれらの治療を行います。また抗血小板薬という間欠性跛行症状を改善させる内服薬による治療を行う場合もあります。内服治療でも改善しない場合や重症の場合には血行再建治療と言って狭窄・閉塞した血管の流れを良くするような治療を行います。血行再建治療は内科的なカテーテル治療と外科的なバイパス術、血栓内膜摘除術があります。カテーテル治療は狭くなった血管を風船で広げて(バルーン拡張)流れを改善させたり、ステントという金属の筒を留置して再び狭くなるのを予防するような治療を行います。血行再建治療が必要な場合は循環器内科の専門病院をご紹介させていただきます。
基本的には薬の治療が行われます。痛み止めの内服薬やビタミンB12製剤の内服による症状の改善を図ります。筋力がおちて来てしまったり、膀胱直腸障害と言って排泄に影響が出てしまうくらい症状が重症であれば手術治療の適応となります。
これらの症状が気になる方は、当院で血管年齢を調べる検査をさせていただきます。お気軽にご相談ください。